信号を渡る

   

   永代通りと清澄通りが交差する片側3車線の交差点。
 以前は、目の前の歩行者用信号機の横断時間を示すランプが3つ残っていれば、躊躇なく渡りはじめ、渡り切ったものだ。点滅が始まってから、走って渡ったことも多々ある。青だから渡らなくてならないと思ったし、渡らないと損したような気分になったせいかもしれない。最近は、渡らないこともある。十分渡り切れる脚力はまだ残っている。しかし、立ち止まることが多い。暑い日は特に。日陰で立ち止まる。いま渡っても、次まで待ってから渡っても、大して損も得もしない。1,2分立ち止まっても、今の生活に何も影響しない。そんなことに気づいたせいかもしれない。 

 追い越して、小走りで渡っていく人の背中に向かって、”(狭い日本)そんなに急いでどこへ行く” と 、何十年も前のテレビCMのフレーズを心の中で呟いている。

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